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本間ひろむ オフィシャルブログ

最近見た邦画 03

柘榴坂の仇討ち”(若松節朗監督)をAmazonビデオで。武士の矜持、見せてもらいました。時代が明治に変わっても主君の仇を探し回る中井貴一もそうだけど、敵役の阿部寛もばかみたいに律儀な感じがいい。刀を振り回すことだけがもののふではない。今の日本にもののふはいないな、と返す返すも寂しくなった。

 

もらとりあむタマ子”(山下敦弘監督)をAmazonビデオで。AKB48の頃はよく知らなかったけれど、女優としての前田敦子はかなりいい。この映画は、前田敦子のための映画といってもいい。山梨という中途半端なロケーションも相まって、だらーっと生きてるタマ子が妙に心地よさげに見えるのだけれど、これは前田敦子だからだかんね。同じように生きてる輩は、すぐにバイトを探した方がいい。多分、あっちゃんほど様になってる訳じゃないからね。

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苦役列車”(山下敦弘監督監督)をAmazonビデオで。品のない芥川賞作家(原作者)の強烈な自意識とマキタスポーツの中途半端な自意識がグチャッと混ざり合い、更には森山未來が(心の)ダークサイド丸出しの演技(⁉︎)をしたもんだから、まぁ気持ち悪いというか、居心地が悪いというか、そんな映画です。前田敦子のちょーぱん(頭突き)もあります。

 

パーマネント野ばら”(吉田大八監督)をAmazonビデオで。ほぼすっぴんに近い菅野美穂のイノセントさ加減が心にしみる。対照的にけばけばの小池栄子もよかった。ふるさとっていいなぁ(幼馴染っていいなぁ)と東京生まれの僕はしみじみ思うのです。それはそうと、西原理恵子原作の映画はみんないい。“いけちゃんとぼく”なんて試写室で泣いたし、泣きはしないまでも“女の子ものがたり”もじわーっときたしね。

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俺はまだ本気出してないだけ”(福田雄一監督)をAmazonビデオで。ヘンな髪型の橋本愛のような娘に毎朝起こされたら、漫画家にでもなんでもなるね。ほんとに。決して饒舌ではないんだけど橋本愛からは「愛」が溢れてる。金髪青年・山田孝之の不器用だけどまっすぐな感じもいい。もちろん、堤真一なくしてこの映画は成立しない。妄想中に登場する「黒マジックで胸にカミと書いてある白いトレーナーを着た(多分)神様」が個人的にはつぼです。

 

メゾン・ド・ヒミコ”(犬堂一心監督)をAmazonビデオで。ぶすっとしたりツンツンしたりするすっぴん(いわゆるすっぴんメイクだな)の柴咲コウがたまらなくチャーミング。逆に、この人の笑顔が見たいと周りを一生懸命にさせる感じ。田中泯の凛とした存在感、オダギリジョーの毒のあるいかがわしさ加減にやられて、西島秀俊が普通の凡庸なおじさんにしか見えないのも面白い。この映画を見てああ優しい人になりたいと思ったなら、犬堂監督や脚本の渡辺さんの思うつぼだ。