チャタレー夫人の恋人/D.H.ロレンス、武藤浩史訳(ちくま文庫)。普段着の、あるいはちょっと下品な言葉使いで、物語が露骨に、あるいは生々しくなってる。
わが闘争/堀江貴文(幻冬舎)。このタイトルを自著につけられる神経が、まず凄い。教養というものがこの人にはないのか。ただ、学ぶべきところもあった(目の前のものに集中する姿勢)。
オラクル・ナイト/ポール・オースター、柴田元幸訳(新潮文庫)。面白いな、この人の小説は。多分、(僕が)ポール・オースターを読むコツをつかんでるんだと思う。そうなると細部すら楽しめる。
黄金の壺、マドモアゼル・ド・スキュデリ/ホフマン、大島かおり訳(光文社新訳文庫)。貴族の退廃も、芳醇も、ない。寓話。
結婚式のメンバー/カーソン・マッカラーズ、村上春樹訳(新潮文庫)。心がひりひりする青春小説。埋もれていたいい小説に巡り会えた幸せ。
僕の名はアラム/ウィリアム・サローヤン、柴田元幸訳(新潮文庫)。語り口が絶妙。テクニックのすぐれた中盤の選手がいるチームを見るような、小気味よい短編集。