イラスト/いとうまりこ
ショパン・コンクールはいつも推しメンを決めて見てる。
2000年は山辺絵理、2005年は根津理恵子、2010年は木米真理恵、2015年は小林愛実。ま、知り合いだったり、生演奏を聞いて「おっ!」と思ったピアニストですね。
そして、ショパン・コンクール2021ですよ。拙著“アルゲリッチとポリーニ”で「藤田真央と牛田智大がエントリーすればやばいことになる」という趣旨のことを書いたのだけれど、藤田くんは最初から出てないし、牛田くんはセミファイナルに進めなかった。ま、これが国際コンクールです。牛田智大ファンの方々のために書いておきますが、彼の演奏は決して悪くなかった。よく弾き込まれた端正なショパンだった。そこから先(実際に何が起こったのか)はワルシャワにいなければ分からないこと。
今回のショパン・コンクールは、いつになくいいキャラが揃った。和製ピアノ王子(牛田智大)をはじめ、疾走する天才少女(小林愛実)、東大卒YouTuberピアニストかてぃん(角野隼斗)、ピアノを弾くサムライ(反田恭平)。あと医者の卵ピアニスト(沢田蒼梧)。そして、アレクサンダー・ガジェヴ、マルティン・ガルシア・ガルシア、Winnerがブルース・リウ!
そんな中、反田恭平が2位、小林愛美が4位に入りました。おめでとう! この2人は幼馴染で、同じ音楽教室に通っていたとか(まるでブエノスアイレス時代のアルゲリッチとゲルバーみたいだ)。今回はアルゲリッチが直前で審査員を降りたのでこの2人には不利かなと思ってたんだけど、お見事でした(特にセミファイナルの演奏は2人とも圧巻!)。
今回は日本中の人がYouTubeの生配信を見て、おのおのが感想をツイートして、現地レポート(演奏直後のインタビューも!)もツイートやnoteで読めたりとずいぶん盛り上がった。みんなで同じ空間(ネットを中心に)を共有して楽しいコンクールでした。
(イラストは“アルゲリッチとポリーニ”でもお世話になった、いとうまりこさんからお借りしました)