hiromu radio

批評家・本間ひろむ オフィシャルブログ

カシオ カジキ

夏っぽい腕時計がほしくなって、CASIOのMDV-106-1AV“Duro”を買った。オーソドックスなダイバーズウォッチ。200m防水表示の上にカジキマグロ。ビル・ゲイツも持ってる時計だ。

思えば30代前半(フリーライター時代です)、腕にはOMEGA Speedmaster、クルマはOPELベクトラに乗っていた。その頃は、目に見えるものを手に入れれば豊かになると思っていた。でも、心はちっとも豊かにならない。

ずっとレコード(CD)を出すか、本を出すか、の2択しか考えてなかった。気づけば30歳を過ぎてる。でもどっちも出してない。ROLEXやOMEGAを腕にはめて左ハンドルのクルマに乗ったくらいで満足できなかった。

30代の終わりに最初の本を出版してから、カネで買えるものを手に入れてるだけじゃだめなんだと気がついた。目に見えないものにコストをかける以外に、心を豊かにする(教養を身につける)すべはないのだ。

ラジオに呼ばれて1時間喋ることができる、1冊本を書くことができる、それが教養。そうじゃなくとも、目の前にウクライナ難民の方々がいたとして、30分おもてなしができるか、だ。ピアノを弾く、ダンスを披露する、英語でスピーチをする。それが教養。老人ホームに行ったとして、披露できる落語を一席や二席持っている、蕎麦を打ってふるまえる、好きな映画や作家について熱く語ることができる、でもいい。それって豊かでしょ。

もともとクルマには興味がなかった。腕時計は今でも好きだけど、OMEGAじゃなくてもいいやと思うようになった。ビル・ゲイツが$100もしないCASIOのダイバーズウィッチを身につけることがあるのは、誰もがその人がビル・ゲイツだとわかるからだ。そうじゃない人は、どうしてもハイブランドを身につけたくなるよね。それはわかる。わかるけど、難民の方々の前とか老人ホームで腕時計ひけらかしても、ね。

高校に入ってすぐの頃(1978年頃)、友達が当時流行っていたCASIOのデジタルウォッチをしていた。羨ましかった。彼がしていたデジタルウォッチには(多分)カジキマグロのイラストがあしらわれていたと思う。このカジキがあるデジタルウォッチは“カシオ カジキ”と呼ばれて、レアアイテムになってるらしい。

その数年後、大学の後輩の女の子がばかでかいダイバーズウォッチをしていたことがあった。やけにかっこよかった(1984年頃)。あれはSEIKOとかCITIZENのダイバーズウォッチだったのかな。こちらも、そこそこレアアイテムになってるはずだ。

そんなこんなが入り混じって、カジキマグロのついたダイバーズウォッチです。気に入ってます。