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本間ひろむ オフィシャルブログ

僕がGAPの服を買う理由

とある夏のこと。2011年前後だったと思う。

その日、ある出版社に打ち合わせに行った。エントランスでエレベーターが来るのを待っていた。同じように待っていたのは若手(中堅?)の編集者(?)。パリッとした細身の長袖Yシャツにスラックス。革靴は爪先のとんがったかっこいいやつだ。彼は年配の人と話し込んでいたのだけれど、エレベーターが来ると僕と彼だけがそれに乗り込んだ。どちらがボタンを押したか覚えていないが、2人とも同じ階で降りるようだ。彼は僕を上から下まで一瞥した。そして、降りる階に着くと自分だけさっさと降りてしまった。

その時の僕は、ヨレヨレのNIKEの黒いポロシャツにチノパン、kappaのメッシュの黒いスニーカー、PORTERの黒いデイパック(なんでkappaのメッシュのスニーカーなんてねずみのフンみたいなものを履いていたのか思い出せない)。この時、物書きはいい物さえ書いてりゃいいってもんでもない、ということを思い知った。

家に帰ると、僕は自分のクローゼットを再点検した。それからシューズラックも。チノパンは全部捨てた。ヨレヨレになったTシャツ、ポロシャツ、ボタンダウンのシャツ、それに古い革靴やスニーカーも全部捨てた。ユニクロのジャケット数着も全部捨てた。

それから数日かけて、映画『ラブ・アゲイン』でライアン・ゴズリングスティーヴ・カレルを連れて買い物するシーンのように、GAPでジャケットやシャツやデニムを買い、ABCマートで革靴2足(黒と茶色のHAWKINS〜爪先のとんがってないやつ)とadidasのスニーカーを買い、原宿シカゴでLEVI'Sのデニム数本も買った。そして、美容室に行って髪を切った。

映画『ラブ・アゲイン』ではスティーヴ・カレルがGAPのデニムを履いていてライアン・ゴズリングにばかにされるんだけど、日本ではちょっとおしゃれなアメカジブランドとして定着してる。スティーヴ・ジョブズイッセイミヤケの黒のタートルとLEVI'Sのデニムを毎日身につけていたように、僕はGAPを身につける。シンプルなデザインが(それに着心地のよさや品質も)気に入っているからだ。落合陽一は全身をヨウジヤマモトで揃えているけれど、僕はGAPで揃える。ライフスタイルに合っているのだから仕方がない。彼は彼、僕は僕である。

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