清々しい初春のひととき、いかがお過ごしでしょうか。
さて、2022年秋の『日本のピアニスト』に続く新刊、
『日本のヴァイオリニスト』を上梓しましたので、お知らせいたします。
ベートーヴェンやショパンをいかに弾くかがピアニストのテーマだとすれば、
ヴァイオリニストはどんな楽器と恋に落ちるか、がテーマです。
ゲッベルスに贈られたストラディヴァリウスを一生手放さなかった諏訪根自子、
ン億円もするストラディヴァリウスを家族を巻き込んで手に入れた千住真理子、
長い時間をともに過ごしたストラディヴァリウスを
「前の楽器はキラキラと張り詰めていて、少し神経質な音だった」と切り捨て、
「今は芳醇な人間らしい音。現在の楽器の方が自分に近い」
と今の恋人グァルネリ・デル・ジェスを褒め称える諏訪内晶子。
楽器と恋に落ちるのが、いわゆるひとつのヴァイオリニストなのです。
では、12歳の神童・HIMARI〜吉村妃鞠はどうなのか── 。
彼女にストラディヴァリウスを授けた前澤友作氏は、
“音楽の神様”なのか、はたまたパガニーニにも取り憑いた“悪魔”なのか── 。
本書はそんな日本のヴァイオリニスト、ヴィオリスト、チェリストの物語です。
(献本のあいさつ文より)